伊藤しあわせクリニック(名古屋市南区・名古屋市営地下鉄 桜通線 鶴里駅 徒歩5分、無料駐車場完備)では、低用量ピルをはじめとする各種ピルの処方を行っております。避妊だけでなく、生理痛や月経不順、PMSの改善など、多くの女性のお悩みに対応可能です。初めての方にもわかりやすく、丁寧にご説明いたします。
このページでは、避妊目的の低用量ピルの料金、種類、処方の流れ、避妊効果、服用タイミング、避妊作用、副作用についてご紹介します。

低用量ピル(経口避妊薬OC)とは

低用量ピルとは避妊の目的で内服する錠剤、つまり経口避妊薬です。
通称ピルと言われることが多く、英語ではOral Contraceptiveと言われ、最近ではOCと略されることも多くあります。
低用量ピル錠剤(経口避妊薬OC)に含まれる2種類の女性ホルモン(卵胞ホルモン・黄体ホルモン)のはたらきで、服用中は主に排卵がおこらない状態となり、妊娠を防ぐことができます。この他に、プロゲスチン製剤(黄体ホルモン)単独の避妊用の製剤は既に海外でありましたが、2025年6月30日より日本でも処方できるようになりました。

また、生理痛がひどい(PMSや月経困難症)の治療方法のところで少し触れておりますが、LEP(レップ:low dose estrogen-progestin)療法と言う治療に低用量ピルが用いられ、この場合は健康保険が適用されます。

避妊目的の低用量ピルの料金(診察代と薬代)

当院では院内処方のため、薬局での受け取りは不要です。

●初回の診察処方時(診察料と1シートの薬代)
トリキュラー錠28、ファボワール錠28、スリンダ錠28は、5,500円(税込)の同一価格です。

●2回目以降の診察処方時(診察料と1シートの薬代)
トリキュラー錠28:3,630円(税込)
ファボワール錠28:3,630円(税込)
スリンダ錠28:4,400円(税込)
2回目以降で、複数シートの処方を行うときには、上記金額 × シート数となります。

避妊のための低用量ピル(経口避妊薬)は自費診療で、健康保険の適用はありません(避妊は病気ではありませんから、健康保険は適用できません)。
尚、PMS(月経前症候群)や月経困難症などの治療目的で低用量ピルを処方する場合は、健康保険適用になります。

スリンダ錠28の処方をしています

当院では、2025年6月30日から処方できるようになったスリンダ錠28の処方をしております。
このスリンダ錠28は、Progestin-Only Pillというプロゲスチン製剤単独の経口避妊薬です。喫煙者や肥満、高血圧若しくは弁膜症の女性又は深部静脈血栓症若しくは肺塞栓症の既往を有する方に処方可能な薬剤です。
当院で処方しているトリキュラー錠28、ファボワール錠28と同様にパール指数が0.3%程度の避妊効果を有しています(後述の「パール指数でみる低用量ピルの避妊効果」に詳しい説明があります)。

避妊目的(保険適用外)の低用量ピルの種類

低用量ピルの成分は、卵胞ホルモンと黄体ホルモンの組合せのものと黄体ホルモン単独のものがあります。
卵胞ホルモンは、合成エストロゲンで、エチニルエストラジオール(ethinyl estradiol:EE)です。
黄体ホルモンは、合成黄体ホルモンで、プロゲスチン(progestin)です。
この卵胞ホルモンと黄体ホルモンの割合によって一相性と三相性に分けられた混合型経口避妊薬(Combined Oral Contraceptives:COC)の低用量ピルを処方しています。
また、2025年6月30日から合成黄体ホルモン(プロゲスチン)単剤の低用量ピルも処方開始しました。

●一相性
卵胞ホルモンと黄体ホルモンが最初(1錠目)から最後(21錠目)まで同じ量で含有されています。

●三相性
卵胞ホルモンと黄体ホルモンの含有する割合が通常の排卵周期を模して3種類に分けられています。含有量は割愛しますが、錠剤の色が違うのでわかります。偽薬(ホルモン剤の入っていない錠剤)が7日間付いて28日分で1シートになっているものと、実薬だけで偽薬の無い21日分で1シートになっているものがあります。低用量ピルは避妊目的(自費)でも治療目的(保険)でも28日間が1周期として基本になっています。21日分で1シートになっているものは7日間の休薬とセットで28日間という訳です。偽薬が付属している製剤の偽薬は内服しなくても良いのですが、この7日間も重要なので、7日間数えて、日程がずれてしまわないようにする必要があります。

●合成黄体ホルモン(プロゲスチン)単剤
プロゲスチン単剤の経口避妊薬「スリンダ錠 28」が2025年5月に「避妊」の効能又は効果で承認され、2025年6月30日から処方できるようになりました。喫煙者や肥満、高血圧若しくは弁膜症の女性又は深部静脈血栓症若しくは肺塞栓症の既往を有する方は、子宮内避妊具で子宮の中に入れることで避妊の効果を発揮する子宮内黄体ホルモン放出システム「ミレーナ®」を使用されていましたが、新たな選択肢が生まれました。
スリンダ®錠は28日の周期で ドロスピレノン錠(白色の錠剤)4mgを1日1錠、24日間服薬後にプラセボ錠(黄色の錠剤)を4日間1日1錠服薬する経口避妊薬です。

当院採用の薬剤

避妊目的の低用量ピルは多種類ありますが、当院が採用している薬剤は下表の内オレンジ色文字で記載しています。

薬剤名1シート当たりの錠数相性
トリキュラー錠2828錠(偽薬7錠含む)三相性
ファボワール錠2828錠(偽薬7錠含む)一相性
スリンダ錠 2828錠(偽薬4錠含む)単剤
シンフェーズT28錠28錠(偽薬7錠含む)三相性
トリキュラー錠2121錠三相性
アンジュ21錠21錠三相性
ラベルフィーユ21錠21錠三相性
アンジュ28錠28錠(偽薬7錠含む)三相性
ラベルフィーユ28錠28錠(偽薬7錠含む)三相性
マーベロン2121錠一相性
ファボワール錠2121錠一相性
マーベロン2828錠(偽薬7錠含む)一相性
初めて低用量ピルを飲み始めるときは月経の1日目~5日目から内服を始めます。

診察処方の流れ

低用量ピル(経口避妊薬)は産婦人科の医療機関で処方される薬です。ですから、医療機関へ受診する必要があります。

1. 本サイトのWEB予約から、またはお電話でのご予約
2025年7月より、当院にはじめて来院される場合でも、診察券番号などが無くてもご予約がいただける予約プラットフォームを使用できます。ご希望時間に空きがあれば、当日でもご予約いただけますので、WEB予約・問診ページからご予約ください。

2. 来院・問診・体重と血圧の測定
●はじめての来院の方の場合
あらかじめご記入いただいた問診票をもとに問診いたします。事前に当院のWEB問診をご入力頂いてからご来院いただくと、受付がスムーズです。
問診と共に、体重と血圧の測定をします。そこで、低用量ピル(経口避妊薬)が服用可能か、服用できる状態かをよく検討します。

避妊目的の低用量ピルの処方診察では、内診することはありませんが、過多月経や不正出血がある場合などでは内診する場合もあります。婦人科の病気が隠れているかもしれないからです。ほとんどの方は低用量ピル(経口避妊薬)を服用することができますが、一部で服用できない場合もあります。

●2回目以降の来院 の方の場合
2回目以降の来院でも毎回問診と体重・血圧測定、血栓塞栓症の症状が無いか、内服の状況(例えば、飲み忘れはありませんか?など)のチェックを行い、問題が無いことを確認の上、処方しています。日本産科婦人科学会が作成したOC・LEPガイドライン2020年版では低用量ピル(経口避妊薬)を飲み始めたばかりの数か月は血栓塞栓症に対して慎重な対応が求められています。そのため、当院でも初めの数ヶ月は1シート(1周期分)ずつの処方にしています。

3. ピルの種類を総合的に判断して処方
お体の状態など総合的に判断して、服用可能な方には処方する低用量ピルの説明をいたします。

補足になりますが、生理痛がひどいという方は子宮内膜症と言う病気があるかもしれません。その場合は診察・検査の上で、必要な治療を行います。最近は低用量ピル(経口避妊薬)に近い薬が保険診療で処方できるようになり(避妊の効能はありませんが)、治療の選択肢が増えています。当院ホームページの「生理痛がひどい(PMSや月経困難症)」のページもご参照頂き、無理に我慢するだけでなく、一度ご相談ください。

パール指数でみる低用量ピルの避妊効果


避妊の効果を表現する方法として、パール指数というものがあります。

パール指数とは、100人の女性がある避妊方を1年間実施した場合の妊娠数(つまり失敗数ということです)のことを言います。パーセント(%)で表されます。パール指数1%というのはその避妊方を1年間行った100人の女性のうち1人が妊娠したということです。パール指数が低いほど失敗が少ないということですので、良い避妊法だということになります。

本来はパーセントで表す数字ではないのですが、1〜100の間の数字ですので%を使っています。だから「率」ではなくて「指数」です。これがホントの避妊率を表しているのかはわかりませんが、パール指数は科学的な方法で算出されており信頼性は非常に高いのです。

また同じ方法で指数を算出しているので他の避妊法とも比較することができます。

  • 避妊をまったくしない場合のパール指数は、85%
  • コンドームの一般的な使用の場合(トラブルを含め)のパール指数は、18%
  • 子宮内避妊具(銅付加IUD)のパール指数は、0.6%
  • 女性の避妊手術のパール指数は、0.5%
  • 子宮内避妊具(レボノルゲストレル放出IUD)のパール指数は、0.2%
  • 不妊手術(理想的な場合)では男性の避妊手術のパール指数は、0.1%
  • トリキュラー錠28、ファボワール錠28、スリンダ錠28など低用量ピル(経口避妊薬)で理想的な服用の場合(飲み忘れなどがない場合)のパール指数は、0.3%
  • 低用量ピル(経口避妊薬)で飲み忘れなども考慮した服用の場合のパール指数は、8%

このように一覧で見ると、低用量ピル(経口避妊薬)の理想的な服用の場合(飲み忘れなどがない場合)、効果が非常に高いことがわかります。

スリンダ錠のパール指数の詳細

参考までに、2025年6月30日に処方できるようになったスリンダ錠の国内第Ⅲ相臨床試験では暴露周期全般のパール指数は0.3917でした。
13周期まで内服したのが全部で3319周期[276人]ありそのうちの1例が妊娠したと言うことです。
(暴露周期:少なくともⅠ回の服薬が確認された周期)ですから、低用量ピル(COC)を同程度ということになりますが、評価可能周期(追加の避妊法を使用せずに性行為を伴う暴露周期)では0.4332で、完全な周期ではパール指数は0.0000%でした。
完全な周期とは、評価可能周期のうち、周期間[最終実薬服薬から次の初回実薬服薬までの期間]が6日を超えた場合、周期中[1~24日]に実薬の未服薬日が4日以上および/または2日連続未服薬、治験実施計画書に影響を与える逸脱があった場合、を除く周期。2989周期でした。
これらの一部の症例はそのまま24周期まで内服を続けました。[276人のうちの52人]
継続投与終了時の総周期数は3878周期で、この時点の全般パール指数は0.3352でした。結果としては継続的に内服した周期では妊娠はなかったということです。

服用タイミングは?

まず、低用量ピルの1日の中での服用時刻ですが、寝る直前の服用をお勧めしています。もはや寝るだけ、というタイミングで結構です。基本的にはいつ内服してもいいのですが、内服後に吐き気の出る方がたまにいらっしゃるのです。吐き気は内服して30分ほど経ってから始まります。多くの場合は3〜4日ほど飲み続けるとおさまるのですが、吐き気があるだけで低用量ピル(経口避妊薬)を挫折してしまっては元も子もありません。そこで寝る直前(眠くなって寝ようとする時)にさっと飲んですぐ寝てしまうと吐き気を感じないで済みます。一般的には寝る時間は3〜4時間程度の変動で済むことが多いですから、内服時間も一定になりやすいのでオススメです。

また、28日型のシートの低用量ピル(経口避妊薬)の場合はシートの錠剤の配列に従って内服し続けます。残りが3〜4錠になったところで生理が起こってきます。生理が終わっていなくてもシートの最後の錠剤を内服した翌日は新しいシートの1錠目を内服します。初めて低用量ピル(経口避妊薬)を内服する場合は、生理が始まったらすぐに内服されるのが良いです。遅くとも生理の5日目までに飲み始めてください。もしもそれより飲みはじめが遅くなった時には卵胞発育が始まってしまうので、コンドームなどの他の避妊法を併用する必要があります。

低用量ピルの3つの避妊作用

低用量ピル(経口避妊薬)でどうして妊娠が防がれるのかということですが、次のような作用があります。

卵胞発育抑制と排卵抑制

低用量ピルの作用によって脳下垂体からのFSH(卵胞刺激ホルモン)やLH(黄体化ホルモン)の分泌が抑えられます。
それによって卵胞の発育も抑えられ、排卵が防がれます。これが一番の働き(作用)です。

子宮内膜の発育抑制

低用量ピルの作用によって子宮内膜の発育も抑えられます。
ですから、着床に適した内膜にならず妊娠が防がれます。これは副次的効果ですが、内膜の量が少なくなるので、月経血の量も少なくなります。この作用を利用したのがLEP療法です。

精子を入りにくくする

低用量ピルの作用によって子宮の入口の部分(子宮頸管)の粘液を変化させて子宮内に精子が入りにくくします。
通常は子宮頚管粘液というのは粘度が高く、子宮頸管に蓋をしたようになっています。正常な生理周期の場合は卵胞の発育に伴って卵胞ホルモンの分泌が増えることによって、特に排卵の頃になると頚管粘液がさらっとした感じ(粘度が下がるのです)に変わって精子が入りやすくなります。低用量ピル(経口避妊薬)によって卵胞発育が抑えられるので卵胞ホルモンも増えず、頚管粘液の粘度が高いままで、子宮頸管に蓋をしたままになるというイメージでいいかと思います。

低用量ピルによる、これらの働きで妊娠が防がれるとお考えいただければよいでしょう。

「低用量ピルの3つの避妊作用:子宮内膜の発育抑制」のところで月経量が少なくなることをお話ししましたが、それも含めて低用量ピル(経口避妊薬)は避妊以外にも色々なよい効果が証明されています。

そして長期間使用しても、副作用が非常に少ないことも認められました。

低用量ピルの副作用は?


血栓塞栓症という病気が起こることがあります。これは血が固まって栓のようにどこかに詰まることによって起こる病気です。

発生頻度は低いのですが、低用量ピル(経口避妊薬)を飲んでいない人の血栓塞栓症の発症頻度は年間1〜5人/10,000人です。それに比べて低用量ピル(経口避妊薬)服用者は年間3〜9人/10,000人に増加します。ちなみに妊婦は年間5〜20人/10,000人で、褥婦(分娩後の女性)は年間40〜65人/10,000人です。ですから、妊娠・出産に関するほどの副作用の上昇はありません。しかし、服用開始3か月以内が最も発症頻度が高いので注意が必要です。

症状は、ACHES(エイクスと読みます)という言葉で略されています。

A : abdominal pain = 激しい腹痛

C : chest pain = 激しい胸痛、息苦しさ、押しつぶされるような痛み。この場合の胸痛は乳房の痛みではなくて心臓や肺に血栓が詰まった時の症状です。

H : headache = 激しい頭痛

E : eye / speech problems = 見えにくいところがある、視野が狭い、舌のもつれ、失神、けいれん、意識障害

S : severe leg pain = ふくらはぎの痛み、むくみ、押すと痛い、赤くなっている

これらの症状は、どこに血栓が詰まったのかによるものです。Aは腹部の血管に、Cは心臓や肺の血管に、HやEは頭(脳)の血管に、Sは下肢の血管に血栓が詰まったというわけです。一番多いのが、Sのふくらはぎの痛みです。ふくらはぎの静脈か動脈に詰まって痛みという症状が出ます。通常はどちらか片側です。ふくらはぎが痛いので、婦人科ではない診療科に受診されて血栓塞栓症の発見が遅れてしまう場合はあります。この病気は疑わないとわからないのです。ですから、低用量ピル(経口避妊薬)を処方した時には、患者携帯カードというものをお渡ししています。そこには受診した医師にわかるように低用量ピル(経口避妊薬)を内服していること、血栓塞栓症の症状など色々な事柄が記載されています。低用量ピル(経口避妊薬)を内服されている方はこのカードをいつも持ち歩くようにしてください。

他に、低用量ピルを服用すると体重が増えるのでは無いかと心配される方もいますが、諸外国の研究でも体重が増加した報告はありませんので、ご安心ください。

内服を止めた後は妊娠しますか?

低用量ピル(経口避妊薬)を内服することで、妊娠しづらくなるのではないかと考えられる方もいるかもしれませんが、ヨーロッパなどの大規模な調査によれば、低用量ピル(経口避妊薬)中止後の妊娠率は通常の集団と変わらないことが報告されています。

低用量ピル(経口避妊薬)中止後の排卵についても、種々の検討がされています。製剤によって多少のばらつきはあるようですが、服用終了後3ヶ月以内にほぼ90%の症例で排卵が再開しています。

ちょっと話が横にそれますが、低用量ピル(経口避妊薬)を内服中でも妊娠を希望されない場合はコンドームの使用をされるのが良いでしょう。低用量ピル(経口避妊薬)はあくまで避妊のためのお薬であり、性感染症に関しては全く関係ありません。性感染症にもいろいろありますが、エイズなどの命に関わるものから、クラミジア感染症など不妊症の原因になるものもあります。性感染症予防にはコンドームが必要です。

低用量ピルを使用する前に生理のことを知りましょう

まず、生理・生理周期の事について少し説明します。「生理痛がひどい(PMSや月経困難症)」や「生理不順の診察と治療」の所でも記載しましたが、生理とは約1か月の間隔で子宮の内膜が出血を伴ってはがれ落ちる事を言います。

生理周期というのは、生理が始まった日から次の生理が始まる前日までのことです。日数で言うと25〜38日間と幅があります。先ほど「約1か月の間隔で」と書きましたが、そんな印象で結構です。この生理周期を作っているホルモンには卵巣から分泌される卵胞ホルモンと黄体ホルモン、脳下垂体から分泌されるFSH(卵胞刺激ホルモン)とLH(黄体化ホルモン)があります。これらのホルモンが上手に絡み合って生理周期がコントロールされています。生理は微妙なホルモンバランスの上に成り立っているわけです。

生理周期は増殖期、分泌期、月経期の3つに分けられます。増殖期は脳下垂体からFSH(卵胞刺激ホルモン)が分泌されます。FSHが卵巣に作用して卵胞の発育が促され、卵胞ホルモンが分泌されます。卵胞ホルモンは子宮に作用して子宮内膜を厚くします。

卵胞が十分に発育すると脳下垂体からLH(黄体化ホルモン)が分泌され、その作用で排卵が起きます。排卵というのは卵胞の中から十分に発育した卵子が外へ飛び出すことです。排卵後の卵胞は黄体に変わります。黄体からは卵胞ホルモンに加え黄体ホルモンも分泌されます。それらが子宮に作用すると子宮内膜が柔らかくなって受精卵が着床できるように準備が整います。この時期を分泌期といいます。
妊娠しなかった場合は黄体が衰えて卵胞ホルモンと黄体ホルモンの分泌が急激に減少して、子宮内膜が剥がれて排出されます。これが生理です。

低用量ピルの避妊以外の5つの効果

生理出血量の軽減

子宮内膜の発育を抑えることにより、生理時の出血量が少なくなります。

生理周期の正常化

低用量ピルで生理周期をコントロールしてしまうので、生理周期が規則正しくなるし、いつ生理がくるのかがわかるようになります。

生理貧血の抑制

月経血の量が少なくなるので、生理による貧血が起こりにくくなります。

ニキビの発生抑制

ニキビの改善・肌がきれいになる。ニキビの発生には皮脂腺が関わるのですが、アンドロゲン(男性ホルモン)の影響で皮脂腺が増大し皮脂分泌が亢進することが原因の一つです。女性なのにアンドロゲン(男性ホルモン)とはどういうこと?と思われるかもしれませんが、女性でもアンドロゲンは体内でできていて、代謝されて女性ホルモンができるのです。低用量ピル(経口避妊薬)によりアンドロゲンの産生が抑えられる(つまり作られなくなる)ことでニキビの発生が抑えられるというわけです。

がんリスクの低下

その他には、卵巣がんのリスクを低下させたり、子宮体がんのリスクを低下させたり、大腸がんのリスクを低下させることが知られています。